近年のTVドラマの愚痴(好きな方は見ないで下さい)

数年前、女性週刊誌で大原麗子をめぐるご近所トラブルの記事があり、それに関連してトレンディドラマの隆盛以降、かつてのホームドラマに出ていた正当派女優は仕事が減っているとありました。
今「ぬかるみの女」という80年のドラマを地方局で再放送してるんですが、初めて途中から見たにもかかわらず、つい引き込まれてしまいます。登場人物がエキセントリックな行動をしたり、強い自己主張があるわけじゃないんですが、相反する立場の人物の描写も丁寧に感情移入できるようにして、主役に客観性を持たせてる所が良いのかと思います。

かつて「抱きしめたい」というトレンディドラマがありました。
ヒロイン浅野温子と、その親友ながら彼女を出し抜いた過去を持つ腹黒キャラ浅野ゆう子、その夫岩城滉一の三角関係。
最終回の見せ場として、浅野温子浅野ゆう子夫婦に心情を吐露し啖呵を切るシーンがあります。
W浅野の役柄が両方とも鼻についていた私は
「なーに偉そうなこと言ってんだか」とウンザリだったんですが、一緒に見ていた妹はひどく感動し、以来浅野温子の大ファンになってしまいました。

トレンディドラマブーム以降のTVドラマは主役にどれだけ視聴者を感情移入させられるかがヒットの鍵かと思います。主役が意のままにならない人物に啖呵を切ったり、自分語りするのが話の山場になっているというか。視聴者に主役の主張や感情を尊重してほしいっていう、意識が一人称な世界観ですね。
でも、主役に感情移入できないと、主役が自己中な印象だけの薄っぺらい物語になってしまう。ヒロインが絶対的な存在で、恋人も友達も敵方もヒロインを盛り立てるための付随物としての描かれ方だから深みがないし。一人よがりの日記帳を読んでいるようで、今時のドラマはどうにも苦手ですね。